路上での痴漢とは
痴漢は一般的には電車内で発生することが多いですが、路上で行われる痴漢もあります。
例として以下のようなケースが挙げられます。
・自転車で追い抜きざまに尻を触る
・女性の後をつけて抱きつく
・すれちがいざまに胸に触れる
これらの場合も、電車内の痴漢と同じく迷惑防止条例違反に該当します。もっとも、唇にキスをしたり、胸を揉みしだくなど悪質な場合は、より重い強制わいせつ罪が成立します。この点は、電車内の痴漢においても、下着に手を入れるなど悪質な場合に強制わいせつ罪が成立するのと同じです。
路上での痴漢で逮捕されるの?
電車内での痴漢では、逮捕されずに在宅事件として捜査が進められることもありますが、路上での痴漢の場合は、通常その場から逃げているので、検挙されれば逃亡の恐れありとして逮捕されることがほとんどです。
路上での痴漢にはどんな証拠があるの?
典型的な証拠は次の3つです。
①被害者の証言
②目撃者の証言
③防犯カメラ映像
電車内での痴漢の場合、防犯カメラ映像が証拠として出てくることは通常ありません。そのため、無罪を求める場合は、本人の供述と(自称)被害者・目撃者の供述を比べ、どちらに信用性があるかが焦点となります。これに対して、路上での痴漢においては、防犯カメラ映像が決め手になることが少なくありません。
路上での痴漢の3つの特徴
このタイプの痴漢の特徴は次の3つです。
①加害者が飲酒していることが多い
②加害者の生活圏内で行われることが多い
③被害者が一人とは限らない
①加害者が飲酒していることが多い
本人は酒に酔っていて、事件についてよく覚えていないことが多いです。容疑を争わないのであれば、取調べの際、「細かいことは覚えていませんが、被害者や目撃者がそのように言っているのであれば争いません。」と供述することも考えられます。もちろん、その場合でも、明らかにやっていないことまで認める必要はありません。
その場で被害者や通行人に取り押さえられた場合は、酔いも手伝って、被害者に失礼な言動をしていることがよくあります。なるべく早い段階で、弁護士を通じて、謝罪の手紙をお渡しした方がよいでしょう。再発防止策については、お酒とのつきあい方も含めて検討すべきです。
②加害者の生活圏内で行われることが多い
加害者の生活圏内で行われることが多いというのは、言い換えると、加害者が被害者の自宅の近くに住んでいることが多いということです。そのため、被害者へ接触する恐れがあるとして、電車内での痴漢よりも、釈放のハードルはやや上がります。早期釈放を実現するためには、被害者へ接触しないということを検察官や裁判官に説得的に主張する必要があります。示談については、被害者が引っ越しを希望されることが多く、引っ越し費用等の負担を求められる可能性があります。
③被害者が一人とは限らない
被害者が複数の場合は、逮捕された事件で釈放された後に、被害者を異にする別の痴漢で再逮捕されたり、初犯であっても、複数の痴漢について、一挙に公判請求されることがあります。余罪捜査への対応が重要になるので、早い段階から弁護士に相談し、方針をたてた方がよいでしょう。
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