国選弁護士とは
国選弁護士とは裁判所が選任する弁護士のことです。ほとんどの場合、弁護士費用は国が負担します。国選弁護は、経済的に余裕がない方のための制度ですので、50万円以上の資産がある場合は、原則として国選弁護士を利用することはできません。
痴漢で逮捕されたら国選弁護士を利用できる?
①起訴前
起訴前であっても国選弁護士を利用することはできます。
従来、起訴前に国選弁護士を利用できるのは、刑罰の上限が懲役・禁錮3年を超える犯罪に限られていました。痴漢は悪質なものでない限り、迷惑防止条例違反として立件されますが、ほとんどの自治体で迷惑防止条例違反の最高刑は懲役1年(神奈川県は2年)であり、上限が3年未満であることから、国選弁護士を利用することはできませんでした。
しかし、2018年に、この3年ルールが撤廃されたため、現在では、資産の合計額が50万円未満である等一定の要件を満たせば、起訴前であっても国選弁護士を利用することができるようになりました。
もっとも、起訴前に国選弁護士を利用できるのは勾留されている場合に限られます。逮捕中や釈放後は、国選弁護士を利用することはできません。
②起訴後
起訴された場合も、資産の合計額が50万円未満である等一定の要件を満たせば国選弁護士を利用することができます。起訴後については、起訴前と異なり、要件を満たしている限り、勾留されていない事件でも国選弁護士を利用できます。
起訴後については、起訴前と異なり、要件を満たしている限り、勾留されていない事件でも国選弁護士を利用できます。
国選弁護士のメリットとデメリット
国選弁護士のメリット
国選弁護士のメリットは何といっても費用が安いことです。弁護士費用が免除され、全くかからない場合も多いです。もっとも、国選弁護士を利用できるのは、資産の総額が50万円未満である等一定の要件を満たしている場合に限られます。
国選弁護士のデメリット
国選弁護士のデメリットは、自分で弁護士を選べないということです。国選弁護士のなかには刑事事件の経験豊富な弁護士もいますが、その反面、ほとんど刑事事件を手がけたことのない弁護士もいます。報酬が非常に低くおさえられていることもあり、あまり熱心に活動してくれない弁護士もいます。どのような弁護士がつくかはある意味運しだいともいえるでしょう。
私選弁護士のメリットとデメリット
私選弁護士のメリット
自分で弁護士を選ぶことができる
私選弁護士の場合は、国選弁護士と異なり、ご本人やご家族が弁護士を選ぶことができます。実際に弁護士とお会いし、経験や熱意、相性などを見極めた上で依頼できるのが私選弁護士のメリットです。
速やかに弁護活動をスタートできる
私選弁護士は、逮捕当日から選任することができます。これに対して、痴漢で国選弁護士を利用できるのは、起訴後(迷惑防止条例違反として立件された場合)あるいは勾留後(強制わいせつ罪として立件された場合)となります。私選弁護士であれば、逮捕当日から、示談や不起訴処分の獲得に向けご本人をサポートすることができます。
私選弁護士のデメリット
私選弁護士のデメリットは、国選弁護士と比べ費用が高いことです。もっとも、私選弁護士の費用は事務所によって様々です。ウェルネスのように総額40万円~50万円程度のところもあれば、100万円を大幅に超えるところもあります。一般的には70万円前後のところが多いようです。
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